2011年11月7日5:15 PM

先週、当研究所ではじめて 「公開相談会」 を開催した。集まっていただいた企業広報のみなさんと、たっぷり一時間半にわたって、業務上のリアルな話題に対して解決策を提示したりディスカッションしたりと盛り上がった。ご参加ありがとうございました。

ひとつのテーマから、あっち行き、こっち行き、広報の話はつきない。冒頭でも、ソーシャルメディアの話からプレスリリースの話につながった。プレスリリースを出してもなかなか記事にならない、という悩みである。

プレスリリースを受け取る側のメディアの置かれている状況とか、配信サービスの是非とか、いろんな角度から話がふくらんでいったが、最後はやはり、じっくりこつこつとメディアとの関係を作っていくことが最善の策という結論になった。

一社一社、一人一人、一歩一歩、地道に良好なリレーションを築いていくしかないのである。日本において、オートマチックな広報は今のところありえない。

NHKのEテレに 「めざせ!会社の星」 という番組がある。10月29日の放送は 「人気ナンバーワン 広報部のシゴト」 であった。新聞のテレビ欄では 「憧れの部署・広報部に潜入」 「花形広報部」 である。むかし、企画・広報・国際が人気部署といわれた時代もあったけれど、すごいですね。

昨年もNHKの番組 「プロフェッショナル 仕事の流儀」 で 「広報・PR」 が取り上げられたことがあった。そこでは、北欧から進出してきたファストファッションのブランドが渋谷に出展するときの派手なプロデュース事業をフィーチャーした内容になってしまっていて、「これじゃあ、広報の仕事が誤解されちゃうかも」 と思ったので、今回もどうかな、と番組を見はじめたのだが、果たして期待はよいほうに裏切られた。

冒頭、出演している企業の広報の方々に、「広報の仕事をひとことであらわすと?」 という質問が出されるのだが、その答えは、「どぶ板選挙」 「地道」 「いじられてなんぼ」 「主役にならない」 であった。さすが、現場のベテラン広報、深く共感いたします。

徹底した選挙区まわりをして支持者を固めていくのがどぶ板選挙 (注:現在は公職選挙法で戸別訪問は禁止されています) なら、いろいろなメディアとの人間関係、信頼関係をひとつずつ築いていって、地道に会社のことを正しく理解してもらう活動は、まさにどぶ板広報といえる。

広報は評価が難しい仕事でもある。記事が出てあたりまえ、記事が出なかったら 「なんで出ないんだ」 といわれがち。会社のトップには、広報をけっして無料の宣伝としてとらえることなく、経営者らしく長期的な視野に立って、自分たちが商売をさせてもらっている社会に信頼を得る手段であることを、ぜひとも理解してもらいたいものである。

ところで、ぜんぜん関係ないけど、NHKがEテレという教育テレビの新しい呼び名を発表したとき、反射的に国電がE電になったときのことを思い出してしまった。当時 「へんなの」 と思ったが、やっぱり定着しなかった。さて、Eテレはどうなるでしょう。(ぜんぜん関係ないけど)

 

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