2017年9月13日11:35 AM

経済誌のオンライン編集長がセミナーでお話しされるというので、八重洲まで出かける。今にも降り出しそうな9月某日。広報の仕事に携わる者は、メディア、報道への興味を決してなくしてはならぬ。氏には米系コンピューターメーカーで広報の仕事をしている時にお世話になった。

企業がWebメディアとつきあうポイントという小一時間の話だったが、ぼくが最も印象に残ったのは本題の前に語ってくれた危機対応の話である。それは、メディアからのアドバイスといったお決まりの話ではなく、つい最近週刊誌の砲撃にあった当事者としてのリアルな話だった。

氏曰く、「明日取材したい」という依頼は「悪い話だろう」とわかっていても逃げない。取材での挑発には決して乗らず、終始おだやかに応対。発売前の記事を入手して、発売日の早朝に反論メッセージを公開(記事の事前入手は同じメディアだからなせることかもしれないが)。ネット上で援護も得られて、火はそれほど燃え広がらなかったという。

沈着冷静、先手必勝。やっぱりこれ、危機対応の要諦なり。

取材や会見から逃げ、あるいは記者を闇雲に怒鳴りつけ、高をくくって情報収集も遅れ、失態をあらわにした経営者や政治家は枚挙にいとまなし。

セミナーが終わるや否や受講者が押し寄せ、名刺交換の列を作っていた。久しぶりにご挨拶したかったが早々にあきらめ、ぬか雨の中、家路につく。

 

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