2011年11月16日5:17 PM

前回のエントリーでもご紹介したNHKのEテレで10月29日に放送された「めざせ!会社の星 人気ナンバーワン 広報部のシゴト」ですが、対外広報とならんで社内広報のスペシャリストもフィーチャーされていました。

広報のお仕事というとどうしても、メディアに商品を売り込んだり、記者発表会を開いたり、取材を取り仕切ったりといったマスコミ対応が目立ってしまうのだが、社内コミュニケーションという重要な役割も忘れてはならない。

番組では、大手飲料会社の社内報担当者が、社内をうろうろして「なんかおもしろい話ない?」と社員に声をかけるシーンが出てくる。相手は(うわっ、つかまっちゃった)と苦笑い。つまり、社内で有名ってことである。優秀な広報人は自然と社内で有名になってしまいます。

大企業では広報部員もたくさんいて、対外広報と社内広報が分業されているのだろうが、大企業以外では反対に宣伝やイベントなど他のマーケティング業務を兼務しているケースも少なくない。コストの面で長らく社内報を作っていない会社も多いと思う。

しかし、思い切って提案してみよう。社内報も仕事に加えて、社内の仕事基盤を強化してみたらどうだろうか。

社内報は、会社で今なにがおこっているのか、これから何をしようとしているのかを社員に伝えることができる。対外広報では、ブーメランのようにメディアに情報を投げて記事として戻ってきて、それが社内に伝わるという効果もあるけれど、社内報があれば直接伝えられる。社員がみんなで今と未来を共有している会社は強そうだ。

そして何より、社内から情報を得て、社内を取材し、自分で記事を書くという行為を通じて、より社内を知ることができ、広報の存在が社内に知れ渡り、広報の仕事の理解促進にもなる。

ちょうど1年前のエントリー「良いニュースはいつも小さな声で語られる」で以下のように書いた。

広報担当者の大事な仕事として、社内にあるニュースの素材を収集する、あるいは見つけ出すということがある。社内の各所から情報が広報に集まってくる仕組みをつくれるか、広報に相談すれば効果的に情報発信してくれるという信頼関係をつくれるか、そして、会社の活動を正しく広報することが安定した経営の基盤になることを社員にいかに理解してもらうか。広報は会社の参謀であり、社内の情報基地でなくてはならない。

社内報を手掛ければ、社内の情報網を強化でき、多くの社員と信頼関係を結ぶことができ、ひいては広報の存在基盤が強固になり、それはつまり対外的な情報発信のクオリティも高めることにつながるんじゃないかと思うのであります。

「めざせ!会社の星 人気ナンバーワン 広報部のシゴト」の内容は、番組のおさらいサイトで紹介されています。

 

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