2011年5月17日1:31 PM

ここ数年で広報に関する書籍がたくさん出版されるようになった。大きな書店では、ビジネス本の書棚にマーケティングや広告とならんで独立した広報のコーナーができている。広報という仕事が世間に認められるようになったあかしであるならば、とてもうれしい。

最近このての本を好んで読むことはなかったのだけれど、企業広報ブックという6冊シリーズの広報の教科書のようなものが発売されたので、読んでみようと思って買ってみた。6冊のうちの「広報の基本」と「メディア・リレーションズ」を買った。

なにげなくぱらぱらっと「メディア・リレーションズ」のほうをめくってみると、「リークについて」という項があった。ちょっといやな予感がした。

予感は的中した。そこには教科書らしく、メディアに対しては公平にね、ということが結論にはなっているのだが、「リーク」なるものがあたかも広報手法のひとつで、広報の専門用語のように定義されてしまっている。たった一行のことなのだが、とても残念である。

決して本のあげあしをとろうというのではない。仕事の現場でこの言葉をよく聞くので、前々から気になっていたのである。

もちろん、ニュース素材の内容や特性によっては、特定のメディアを狙った情報提供を行う場合もある。特定の業界に訴求したい場合は業界紙・誌に書いてもらう、あるいはニュース素材のインパクトによっては経済紙に最初に書いてもらうための活動をすることもあろう。ただし、かなりのバランス感覚と覚悟が要求される難しいやり方である。その場合でも、あるメディアにあるニュース素材を「取材してもらう」とか「売り込んでみる」とかいえば十分なのではないだろうか。

「リーク」という言葉は本来、外に出たら誰かにとって都合が悪い情報が漏れる、というようなニュアンスなんじゃないだろうか。情報を漏らしたものも得たものも墓場まで持っていく秘密であり、そのことを知った第3者がはじめて「あれはリークだ」と言うのではないか。ぶつぶつ。

それにしても、いつから「リーク」という言葉が広報サイドで(企業サイドで)白昼堂々使われだしたのだろうか。それになんで、高級酒場のクラブでなくディスコの変化形であるクラブ、のように「リーク」と棒読みするんだろう (これはどうでもいいか)。

まぁそれほど目くじらたてるほどのことでもない気もしますし、実際目くじらなんかたててないんですが、なんか、すし屋であがり、とか、むらさき、とかいっちゃう人をみているようなはずかしさを覚えるというか、そんな気持ちになるのであります。

♪♪♪ 今日の一枚はデラニー&ボニー! ♪♪♪
Delaney & Bonnie & Friends with Eric Crapton / On Tour
スワンプロックの王道。Delaney & Bonnieの1969年のイギリスツアーをライブ録音したもので、このツアーのあとにEric Claptonが、このメンバーの中のBobby Whitlock、Jim Gordon、Carl RadleとDerek & the Dominosを結成するのは有名な話です。そういえばこの間「Layla」発売後40年の未発表音源入りリマスターCDが発売されました!♪ 目黒駅前研究室においてあるアナログレコードをこの場を借りて少しずつ紹介してます ♪

 

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1件のコメント

  1. ||| 目黒広報研究所 » Blog Archive » オフレコは封印しませんか ||| says:

    [...] 前に書いた「リーク」もそうだけど、これらの隠語(とあえていってしまおう)は取材される側が(それも広報が率先して)訳知り顔で使ってるとろくなことにならない言葉だな、とあ [...]