2012年11月30日8:41 PM

先週、サウジアラビアとカタールで、重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ仲間の新種ウィルスに感染した人が出ました。SARS、久々です。世界に拡がらなければいいんですが。

SARSは、2003年に中国で発生して、世界で流行して騒ぎになりました。2003年といえば、ストーンズがフォーティーリックスツアーで来日して、ドームと横浜アリーナにはいったんだけど、武道館のチケットは手に入らなくて、No Expectationsを演ったことをあとで聞いて、くやしかった年だ。あれからもう10年になるんですか!当時アメリカのコンピューターメーカーで働いていましたが、ITバブルも崩壊して、ただでさえ沈滞ムードなのに、いやなニュースだなと思ったものです。もちろん、病気にもなりたくないですし。

ちょうどそのころ、ある新聞社の担当記者が変わりまして、新しい記者さんとのやりとりが始まったところでした。珍しく政治部から異動してきた方で、いきなりIT担当はちょっと気の毒だなと思いながら、広報としては、自社のことだけでなく、業界全体のことを少しでも理解してもらおうと、あれこれと話を始めていました。

どんな話題を提供すれば取材活動のプラスになるんだろうと、いろいろ考えていたんですが、そのとき起こったのがSARS騒ぎです。

このウィルスのおかげで、アメリカのコンピューター会社の物流網が影響を受けました。中国をはじめとするアジア経由の物流網をヨーロッパ主体に変更する、という動きが出てきたのです。そんな話を記者さんとしていたら、興味を持ってくれました。

取材や情報提供に協力して、他社にも取材して、最終的には動向記事として記事をまとめていました。SARSとコンピューターがくっついて、ひとつの記事になったわけです。

一見関係なさそうな事柄が組み合わさると新しい情報になる。新しいアイデアというのも、本当にゼロから生み出されるものなんてほとんどなくて、過去のアイデアの組み合わせだっていいますしね。

広報の仕事のおもしろさを再認識した出来事でした。

 

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