2012年1月24日3:30 PM

2週間ほど前に所用で母校の早稲田大学に行った。新築のため政治経済学部の3号館が取り壊されて更地になっている。昭和初期に建てられたシブい建築物だっただけに残念だけれど、たしかにわたしが通っていたころから使い勝手がよくなく、授業ではほとんど使われていなかった。

それでもたまに利用する学生読書室に向かう階段の窓の「小鳥が飛び込みますので窓を全開にしないでください」という注意書きが、試験中のあたまをラリックスさせてくれたものであります。(写真は、取り壊し直前に撮影した3号館の雄姿と小鳥注意の看板)

さて、その日ちょっと半端な空き時間ができたので、界隈にある古い西洋建築でも眺めようと(好きなんです)歩きはじめた。まずは新宿区立早稲田小学校から、江戸川橋を越えて拓殖大学本館、お茶の水女子大本館、小石川植物園に入って本館、柴田記念館、東京大学総合研究博物館小石川分館、そして護国寺をまわって講談社旧本館、そして早稲田に戻ってゴール。しめて4時間の散歩であった。(写真は早稲田小学校と拓殖大学本館)

その結果が両足の腱鞘炎であります(笑&涙)。とほほです。むかし英会話で習った ”Everything is OK in moderation.” というフレーズを思い出した。何事もやりすぎはよくない。

いつもは目黒広報研究所に書くことを、週末に近所をランニングしながら考える。文章を作るときによい考えが浮かぶ三つの場所といわれる馬上、枕上、厠上のうちの馬上は、現代人でいうと車を運転しているときだというけれど、車を持たないわたしにとっては走っているときである。

しかし足の腱鞘炎で走れない。トイレと布団の中だけではだめだ。書くことが思いつかない。そういうときは、ネットサーフィン(死語?)して安易にテーマを探そう。

ありました。アメリカのパブリックリレーションズ協会(PRSA)が現代にマッチしたPRの定義を一般募集していて、このほど候補を3つにしぼったという。候補は以下のとおり。PRSAのサイトはこちら。(サイトにいくとそれぞれの候補にPRSAがつけた注釈も読めます)

Definition No. 1:
Public relations is the management function of researching, engaging, communicating, and collaborating with stakeholders in an ethical manner to build mutually beneficial relationships and achieve results.

Definition No. 2:
Public relations is a strategic communication process that develops and maintains mutually beneficial relationships between organizations and their key publics.

Definition No. 3:
Public relations is the engagement between organizations and individuals to achieve mutual understanding and realize strategic goals.

日本ではmanagementやengagementという言葉の訳が難しいから、自分が投票するならNo.2かなと思いつつ、PRはいまや、メディアリレーションだけでなくソーシャルコミュニケーションも含めた多くのバリエーションを持つ機能であるので、解釈の幅があっていいとも思う。

たとえば会社や店であれば、社会とよい関係を作るために、いろんな方法を使って社会とコミュニケーションを図って、自分たちのことを正しく理解してもらい、世の中でよい商売をおこなう基盤を作る活動の「総称」が「PR = パブリックリレーションズ」であるとわたしは漠然と考えている。

人が生きていく上でいろんな人と良好な関係を作ってコミュニケーションを図っていくことと同じである。法律において人は自然人で会社は法人 つまり法人も人ですから。

こんなふうに考えていると、広く報せると書く広報という言葉(訳語)は時代にそぐわないかもしれないな、と思うのでした。

 

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