2012年1月31日5:44 PM

企業の決算発表の季節です。

日本では3月期の通期決算が多いので、いまは第3四半期の決算発表である。企業の広報やIR担当者は忙しい時期である。

決算発表時には、社長交代も同時に発表される場合がある。今回もキリンホールディングスやキヤノンなどの大手企業が社長人事を発表した。

社長は会社の顔である。特に上場企業にとって、トップ人事は株価に影響するためトップシークレットで準備してきちんと発表したい。一方で、一般紙や経済紙にとってもトップ交代は最大の関心事で、有名企業の社長人事は各紙がスクープを狙っている。

有名企業のトップ人事は、各紙の記事を読み比べたり、企業側の発表文や発表方法をみていくと、とても勉強になります。自分の所属する企業が上場企業でなくても大手企業でなくても、自社のことと想定・妄想しながら追っていくと、よいトレーニングになることまちがいなし。

たとえ上場企業でなくても大手企業でなくても、社長人事はきちんと情報公開すべきだと考える。それが報道されるかどうかという視点以前に、当然お客様やパートナーなどの取引先の関心も高いからである。

さて、社長人事はプレスリリースや記者会見で発表するのが原則だが、その前に広報として注意しておかなくてはならないのは、社内の各部門との連携だ。発表の準備に関しては第一に、経営層および人事部門と信頼関係の上で直結して、余裕をもって知らせてもらう体制を整えておくことが重要だ。

もうひとつ、総務部門との連携を忘れてはならない。お客様や取引先への挨拶状の投函タイミングである。発表前に取引先に挨拶状が届いてしまい、情報がメディアに伝わり記事が出てしまう可能性もある。もっと直接的なのは、宣伝部の取引先としての新聞社の広告局や事業局に挨拶状が届いてしまい、編集局に情報が伝わり記事が出てしまう。

なんともお粗末な話のようだけれど、まったくないとはいえないのである。だって、むかし実際にわたしが失敗しちゃったんですから。

こんなことにならないように、広報としては細心の注意を払って各所に目を配り、堂々と発表に持ち込みたいものであります。

 

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