2014年4月24日1:14 PM

もうすぐ4月が終わる。2014年になって4か月、つまり1年の3分の1が過ぎることになる。1年を1日24時間に見立ててみる。仮に元日を朝6時としたら、昼間の2時か。いや、睡眠時間は除いて、たとえば朝6時から夜10時の16時間を活動時間と考えると、午前11時20分である。

だからなに?と言われれば特になんてことはないのだけれど、数字あそびをしてみると物事を違った角度でとらえられることがある。午前11時20分を「まだ昼前か」と考えるか、「もう昼前か」と考えるか。12時から昼休みの人は、きょうの昼メシなんにしようかなと考えるころかもしれない。

わたしは最近、腹が減るのを通り越した2時頃におにぎりとかサンドイッチとかうどん一杯とか、ごく簡単に済ませるので、昼メシを基準に考えると「まだ昼前か」派である。1年の3分の1が過ぎたけれど、まだまだ時間はある。

数字といえば、4月から消費税が8%になった。電車の運賃も値上がりして、わたしの住む東京では、ICカード乗車券を使う場合は1円単位の運賃になった。ICカード乗車券で買い物をする習慣のないわたしのカードは、常に残高の末尾が気持ちよく0だったのに、4月からはそうじゃなくなった。しかし、すぐ慣れる。

最近は、残高が3776になったら「富士山の標高だ」とか、4126のときは「よい風呂だ、ハトヤだな、温泉行きたいな」などと楽しんでいる。たまに切りのいい数字になると、心の中でヨシ!と軽くガッツポーズしたり。実にくだらない。

さて、広報の仕事では、発信する情報の価値やスケール感をわかりやすくするために、数字を活用する場面が少なくない。従来製品の何倍性能が向上したとか、何%価格を下げたとか、数字で見せると客観性も増す。

一般には想像しにくい膨大な量や広さをあらわすのに、東京ドーム何個分という表現もよく使われる。キリンビールが今年1月に発表した2012年の世界のビール消費量は、東京ドームをジョッキに見立てると、約151杯分に相当するのだそうだ。つい一週間くらい前には、小笠原諸島に新しくできた西之島が東京ドーム約16個分の大きさになったと、海上保安庁が発表している。

でも、こうやってあらためて見てみると、東京ドームが本当にわかりやすい例えになっているのかどうかわからないですね。特に、東京ドームに行ったことのない人には、珍紛漢紛でしょう(全国では東京ドームに行ったことのない人のほうが圧倒的に多いと思う)。それにしても、東京ドームをジョッキに見立てるとは。

数字の使い方でわたしが印象深かったのは、イチロー選手が日米通算4000安打を達成したときの記者会見で、「4000本のヒットを打つには、8000回以上は悔しい思いをしてきている」と表現したことだ。数字の裏表を活用したとらえ方だ。わたしには、4000本の価値が「さらに倍!」で伝わってきた。

巧みにものさしを取り替えて、相手が想像しやすい、もっといえば相手の想像力を豊かにする数字を繰り出せる能力を身につけたいものです。

 

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