2012年9月16日10:42 AM

広報の仕事で大きな柱となるのが俗にいうメディアリレーション。自らが簡単にメディアを持てる時代になったけれど、依然としてマスメディアを通じた情報発信は企業にとっての重要課題だ。

企業や各種団体の広報は、マスメディアとの良好な関係を構築しようと日々苦労している。この仕事は人と人のコミュニケーションが土台となるため、本を読んで理屈がわかったから次の日からできるというようなものではない。まずは、相手が何を求めているかを知り、それにちゃんと応えていくことから始めることです。

わたくしも記者・編集者と付き合いながら、ことあるごとに広報としてのふるまいを確認した。メディアのみなさんが広報に求めるものとして、口をそろえて挙げるのが今も昔もレスポンスのよさである。そして、この「レスポンス」には2種類の意味がある、と考えている。

まずは、なんといってもスピードである。クイックレスポンスである。報道発表後の問い合わせにすぐに答える、取材の依頼にすばやく対応する、といった基本姿勢である。メディア側の時間の流れ方と一般企業のそれとは根本的に違う。社長取材を申し入れても、何日もなしのつぶて、あるいは何週間も日程が決まらないというのは、レスポンスが悪い、社内での力がないと判断されてしまう。

もうひとつは、感度である。打てば響く反応のよさである。レスポンシヴということである。たとえば、電話で取材依頼があったときは、その場の短い会話によって記者のニーズを正しくつかみ、会社の状況や社会・業界の動きも鑑み、誰のどんな取材を組めばうまくいくかを同時に考える。こういう資料もあったら役に立つだろうな、などと先回りして準備する。ひとつの取材依頼でいかに多くのことを想像できるか、がレスポンシヴかどうかの境目となる。

広報に求められるレスポンスには、2つの意味がある。

先日、広報や宣伝に関する出版や教育を行っている会社の方々と、メディアリレーションについて意見交換した。企業の広報、PR会社、メディアといった直接仕事に関わる方々との接点は普段から少なからずあるけれど、第三者の眼で広報の仕事やメディアを見つめている立場の人とのディスカッションの機会は貴重だった。

その前に自分の意見を軽くまとめておこうと、いい機会なので小欄の内容をおさらいしてみた。わたくしが書いたエントリーのうち、だいたい3割くらいがメディアリレーションについてであった。ちょっと少ない印象だけど、実際の広報業務の中ではもっと大きな存在感がある仕事である。

ところで、記念日好きとしたことがすっかり忘れておりましたが、おかげさまで目黒広報研究所が始まって2年が過ぎました。そして、わたくしのお話は今回でちょうど100話となりました。

いつもお越しいただき、本当にありがとうございます。

 

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