2012年8月18日9:16 AM

新聞記者が取材メモを誤って別の報道機関にメールで送ってしまうという問題が起きた。上司や同僚に送ろうとして、記者クラブ加盟の新聞、テレビ、通信社に一斉送信してしまったということなので、メーラーの宛先欄に上司の名前を入力しはじめたらいくつか候補が出てきて、うっかり一段まちがえたらメーリングリストだったということのか、どうなのか。

それにしても、取材源に関わる取材メモを上司や同僚にメールで送るなんてことがあるのかと、ちょっとびっくりした。

わたくしに関していえば、インターネットの業務利用が始まった頃は、穴があくほど送信先を確認して、おそるおそるボタンを押したものだ。でも最近は、指が動くままに滑らかに宛先を入力し(メーラーがおせっかいに出してくれる候補を無意識のうちに選び)、躊躇なく送信ボタンを押す。このニュースを聞いて、自分も少し慎重にならねばと反省したしだいです。

起きてしまった結果の重さと比べて、起こした原因はあまりに軽率であることが多いから。

広報業務では、決して少なくない宛先の報道機関リストを扱っており、ニュースリリースや発表会の案内状などメディアへの情報発信の多くをメールを使って行う。リリースや案内状の内容に誤りがないかの確認が第一チェックポイントだとしたら、送信ボタンを押す前の宛先確認が第二チェックポイントだ。毎回、しつこく確認したい。

それと、宛先まちがいの誤送信ではないけれど、リリース文の準備に使った文書ファイルを修正履歴付きでメディアに送ってしまい、修正履歴に残された経緯が新聞で報道されてしまったという、目も当てられない例も聞いたことがある。これも誤送信の一種。前にも小欄で書きましたが、とにもかくにもPDFも含め添付ファイルでのリリース配信はNGです (「プレスリリースのPDF送付はやめよう」をご覧ください)。

ところで、20年以上も前、わたくしがIBMに入社した頃は、社内のメールシステムがメインフレームで構築されていた。メールは海外も含む社内にしか送れなかったけれど、(なんと)送信をキャンセルする機能がついていた。メールがメインフレーム機内にいったん留まって、送信本番に向けて屈伸運動するかのような時間があったのだ。おかげで、何度か誤送信せずにすんだ。

メールのほかにチャットの機能もあって、あるとき、ごくありふれた姓名の同期の女の子にちょっとふざけたチャットを送ったら、同姓同名の面識のない先輩社員だった。メールとちがってチャットは送信を止められなかった。業務中は業務に関係ないことをしてはダメです。

 

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