2012年6月29日5:17 PM

地下鉄サリン事件最後の特別手配犯が逮捕されて、にわかに話題となった防犯カメラ。現在、推定で300万台以上が全国に設置されているという。防犯カメラの普及で生活の安心は向上するかもしれないけれど、反対にプライバシーの不安を感じる人もいるんだろうな、と思ったら、防犯カメラによる安全・安心の確保とプライバシーの尊重では、大都市の9割の人が安心を選んだそうだ(警察庁調べ)。

たしかに昔はぶっそうな事件をニュースでみても、自分とは関係のない遠いところで起きたことと根拠なく思っていたけれど、最近はいつ身近に起こってもおかしくないリアルなできごととして考えるようになった。年ごろの娘2人の父親であり古いマンションの管理組合理事長としては(わたしのこと)、次の総会では防犯カメラのひとつやふたつ導入することを本気で検討したくなる。最近はオートロックでもあぶない世の中だし。

そんなふうに防犯カメラのことを考えていて連想したのが定点観測についてです。定点観測とは、「変化のある事象について、一定期間観察や調査を続けること」(デジタル大辞林)。ものごとには定点を見つづけることによってわかることがある。科学の世界では定点観測が常に活用されているし、防犯カメラだって定点観測の一種だ。わたしたちが携わる広報の仕事においても、以前と今の状態を比較分析して次のアクションに生かすために有効な手段になる。

広報の効果測定というのは終わりのない議論となっていて、経済広報センターの「第11回企業の広報活動に関する意識実態調査 2012年」においても、広報部門の日頃の悩みのトップは「広報活動の効果測定が難しい」となっている。たしかに、効果測定や評価は広報部門の存在意義に関わる大きなテーマである。しかし、わたしがここでいう定点観測は、あくまでももうちょっとカンタンに考えて、定期的に自分の仕事の健康診断をしてみたらどうかということだ。

たとえば、企業広報時代のわたしは、メディアによる取材・インタビューの頻度を定点観測していた。グローバルでは一定の評価を得ていた企業ではあったが、国内においては大手企業の発信力には到底かなわない。だから、広報としてはメディアの関心をいかにしてキープできるか、いかに取材してもらえる存在でいられるか、が重要課題であった。そのバロメーターが取材やインタビューであり、取材機会拡大のための活動が身を結んでいるのかどうかを毎年確認したのである。

プレスリリースの数とか記者発表会の数を指標にしている会社があると聞くけれど、賛成できない。企業側の意思でいくらでも数が増やせるし、ニュース素材を見る目が甘くなるからだ。その点、取材・インタビューは相手がうんと言わなければ成立しないので、やみくもに数を稼ぐことはできない。だから、意味を持つ数字となりやすい。扱っている製品やサービス、事業規模などにもよるので、自社にあった定点観測の対象をみつけていただければと思います。

ところで、わたし個人としては定期的な昼めし観測を行っている。昨年から今年にかけて、昼めしはできるだけ軽くにして体の軽量化を図り、体のキレをよくするというのがなんとなく思い描いていることである。昨年一年間の集計をしてみると、うどん・そば(16%)、ラーメン(16%)、カレー(13%)がトップ3であった。昨年の「当研究所の記事テーマの傾向を調べてみた」に書いたけれど、一昨年は魚、カレー、うどん・そばの順だったので、ラーメンが魚を押しのけてトップ3入りしたことになる。軽量化が目標なのにラーメンばかり食べてちゃダメダメじゃん、という結果になった。下の娘のラーメン好きに拍車がかかり、土日はそれにつきあっていたということもある。でも、なぜか軽量化に悪影響はなかったので、とりあえずよしとした。

しかしラーメンって本当においしいですね。ちょっと深みにはまりそうです。

 

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