2011年10月5日3:10 PM

大手IT企業の(ベテラン)広報であるエス氏と飲んでいて仕事の話になった。

わたしはお酒を飲むとまことに物覚えが悪くなるので、小さな紙切れをいつでも取り出せるようにしておいて、大事なことはササっとメモする。その紙が、こどもたちが小さいときに遊んでいたおもちゃの5億円札の裏だったりするので、見られるとちょっとはすかしいんですけれど。

このときのメモ、つまりエス氏の話でこれは大事だなと思ったことは、「企業の広報に対して最も厳しい基準を持った記者にあわせた対応をする」ということである。これには思わずひざをたたくという概があった。

よい企業広報の条件としては、たとえばクイックレスポンスだとか、公平な対応だとか、気配りができるだとか、どれも絶対的に必要なことだけれど、人によって解釈が違ってくるあいまいな基準ともいえる。

メディア側の環境も劇的に変わってきているので、広報実務のうえでこの基準をどう解釈するかは、個人個人で違いも出てくるでしょう。

だからこそ、自分のまわりを見渡して「広報に対して最も厳しい基準を持った記者」にあわせた対応を心がけることが有効だと思うのである。

氏曰く、日本やヨーロッパの厳しい環境基準にあわせた製品開発をして初めて全世界に安心して製品を出荷できる、広報もそれと同じだという。

サポートサービスなんかも、日本の顧客の品質に関する厳しい基準にあわせるというのはグローバル企業でよく聞く話である。

企業広報もそうあるべきだと考える。

ところで、環境基準の話をしていたエス氏が「もっとわかりやすい例がある」と言ったまま固まった。そして「忘れた。。。」とおっしゃった。あれから一週間が過ぎたが、「あのとき言いかけたのはね」といった話はまだ聞いていない。

わたしとエス氏は14、5年前に、今はなき経済団体連合会記者会(機械)、通称機械クラブにお互い報道発表資料の配布に来ていて、はじめて名刺交換をした。(機械クラブにはある種厳しい基準があった。以前のエントリー「機械クラブで鍛えられたこと」でも少し書いてあります。)それ以来のお付き合いである。時は流れ、少しずつ年を重ねているわけなのであります。

 

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