2011年6月24日9:47 AM

外資系企業では海外の本社からいろんな人がやってくる。トップセールスということもあれば、日本法人では対処が難しい分野の問題解決のためということもありましょう。

そして、少なからず広報には「本社から外人がくるんだけどインタビューをセットしてくれない?」という要望がくるのではないでしょうか。これが広報にとって格好の情報発信の素材になることもあれば、うーん?となってしまうこともある。

さて、本社からやってくる外国人はどんなポジションの人だろうか。

まずCxO系がある。CEOにはじまり、COO、CTO、CIO、CFOなどなど。まだまだあるらしい。肩書き好きな外資系企業は次々とCxOを生み出す。次の位はVP系だろうか。EVP、SVP、平VP(とは言わないか)。Sr.Director、Director。General Managerというのもある。技術系でいくとFellowやDistinguished Engineer。

ちょっと極端かもしれませんが、肩書きが通用するのはCEOくらいではあるまいか。それも一部の有名企業でなければ、いくらCEOだからといってそれだけではインタビューを持ちかけてみる理由としては単なる企業都合でしかない。

要は話せる中身である。広報としては、このような要請があった場合、広報活動の素材になるかもしれないものを提供してくれたことに感謝しつつ、すかさず質問を投げかけたい。

どんな話ができるか。日本と関係ある話ができるのか。記者に話を聞いてもらって記事にできるような話があるか。取材活動の参考になるような話ができるのか。

そして、話をもってきてくれた担当者と話し合ってみる。侃侃諤諤やると魅力的な切り口が案外みえてくるものです。

一例ですが、わたしの経験から案外うまくいったのは、技術系の人のインタビューである。コンピュータ関連だとまだまだアメリカが技術をリードしていることもあり、日本では知ることができない生きた最新情報が話せるのである。この場合は、その分野に強い関心を持っている記者がいればピタリとはまり、双方にとってよい結果が得られる。

ところで、全部が全部そうではないかもしれないけれど、外資系企業というのは意外と上意下達である。

米系IT企業の日本法人で広報を務めているときのことですが、創業者兼CEOが来日するというので、日本法人経営陣と米国本社の合意も得て、というか経営陣からの強い要望もあり、テレビ、新聞、ビジネス誌、IT誌のインタビューを組んだ。しかし、直前になって本社のチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)が「やっぱだめ」と言い出した。(理由も含め中略) 結局内部の戦いに敗れ、メディアのみなさんに大きな迷惑をかけてしまった。

これはわたしの失敗談でありますが、驚いたのはあれだけインタビュー(特にテレビ)を熱望していた日本法人の外国人役員が、いとも簡単にわれわれ広報部隊にクルっと顔を向けて、「ノー・チョイス」と言い放ったことである。つまり自分の上役がインタビューはノーと言った瞬間から興味がなくなったのである。

広報は、社内からのインタビュー設定の要請に対し、会社やビジネスを考えてのことなのか、会社の上層部を向いて自己アピールの機会を狙っているのか、をかぎわける鋭い嗅覚も身につけたいものであります。

 

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1件のコメント

  1. 目黒広報研究所 » Blog Archive » ピンチのときこそ広報の出番 says:

    [...] ない時期が続くとサンの社内も情報の出し方が消極的になっていった。前にもちょっとしたエピソードとして書いたことがあるけれど、2003年のスコット・マクニーリーCEO来日のときには [...]